Sripatum University Bnagkhen main campus
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タイ国首都バンコクの大学へ留学することの意義

 タイ王国の首都バンコクに所在する大学の「国際課程(International Program)」で学ぶ意義について、筆者なりに考えてみることにする。

 タイ王国の東南アジア地域における「地位」に関しては、別途論じる必要があると思われるが、国際社会における東南アジアの重要性に照らせば、東南アジアにおけるタイ国の「政治的・経済的・社会

的・文化的役割」に対しては、一定の評価が得られるものと断定できよう。こうした役割に対する国際社会からの評価は、タイの政治・経済・社会・文化における国際的水準の高さを示している証明とも言える。

 タイの国際的水準の高さを示している中心地は、首都バンコクであることは間違いない。首都バンコクの国際性や世界的都市についても、各種の信頼できる統計資料が指摘するように、首都バンコクは、国際都市としての地位を築いているのである。

 こうした国際性を備えたタイ国及び世界的都市としての国際色を豊富に有するバンコクの背景を考慮すれば、バンコクの大学の「国際課程」で学ぶ意義は、「タイ国の国際性と首都バンコクの国際色」という国際的環境の下で、知識の理解から理論の実践までの学習プロセスを、国際社会という実地との接点を持ちながら、即ち、国際感覚を肌に感じながら、学べることに尽きる。言わば、「国際課程」それ自体に「国際的タイと国際色的バンコク」の側面が含まれているということである。加えて、「国際課程」に在籍する多国籍学生の在学状況を含めれば、「国際課程」は、「国際社会の縮図」として捉えられることは言うまでもない。

 この点に鑑みて、具体的に、「国際課程」の学習環境について、要点的に言及する。

 

1.国際コミュニケーションのための「共通英語」

タイの公用語は、もちろん、タイ語である。しかしながら、政界・財界・学界等の様々な分野でのタイ人留学経験者は多い。外国(外資系・多国籍)企業進出に伴う外国ビジネス関係者や外国人旅行者の在タイ者数や訪タイ者数を考えると、経済・サービス活動を中心とする国際的場面の中で、「英語」がタイ人と外国人や国籍・人種が異なる外国人間の「共通語」になっているのは間違いない。こうした言語環境が英語使用率と英語普及率を高めていることは事実である。「目的英語」ではなく、「手段英語」に優先を置く実用的英語教育に関心が集まるのも当然と言えよう。国際課程の英語プログラムも、この点を踏まえて、国際ビジネスと国際英語を一体とした教育プログラムを開発したと言える。そして、国際課程で学ぶ学生を文字通り国際的にする意味で、多国籍・多文化背景を持つ学生集団からなる国際課程を形成することは、タイの国際的社会と国際課程を直結させる試みであり、人材教育の国際性を高めることで、世界に通用する国際的ビジネス能力と行動を有した社会人を輩出することである。タイにおける英語使用の機会は、極めて高いという点を指摘しておきたい。

 

2.多文化を背景とする生活環境

 日本人に限らず、様々な国籍の外国人がタイの首都バンコクに多く滞在している。タイ人のみでなく、バンコクに在住する外国人同士の触れ合い度も高くなると言える。生活環境の中に、タイ人をはじめ、多文化・多国籍を背景とする外国人との多重的異文化接触と交流の機会が与えられている。「英語を母語とする国民・英語を公用語とする国民・英語を共通語とする国民」が交叉する英語環境(英語使用国数は80か国)を考慮すれば、「手段英語」の重要性、即ち、使用・運用のための「国際共通語としての英語学習」が求められている。「国際課程」の教育環境も同様と言える。英語の知識力ではなく、使用力を向上させる「英語力」=「使える英語」を学ぶに相応しい環境条件が整っている点を指摘したい。

 

3.求められる「人材像」

 「国際課程」で学ぶべき内容は、「専門知識」と「実務能力」は当然としても、「対人的コミュニケーション運用力」を身に付けることに尽きると言える。日本の大学の国際教養学部のカリキュラムもこの点に重点が置かれている。しかしながら、日本人学生の立場から見れば、日本における国際的社会という制約条件を受けている。言わば、日本に重心を置く「異文化環境」なのである。他方、タイに重心を置く「異文化環境」での教育環境は、文字通り、日本人という外国人の立場で、異文化体験が可能となる。これに、異なる国籍の外国人を合わせれば、「多重異文化環境」での「多文化交流」となろう。こうした環境の中で、制度・文化・習慣・常識の相違を視点として、自国や自己の価値観を問い直したり、自己の世界観を見直したりする機会に繋がる。併せて、広い視野に立って、異文化・多文化経験を積むことで、国際的に通用する英語コミュニケーション・スキルの習得及びビジネス・スキル(実務能力)を発揮できる場を拡大させられる機会にも至るものと思われる。ビジネス英語コミュニケーション・外国語の知識・人脈の形成・自己啓発・自己修練等を動機とする新たな留学形態になる点を指摘したい。グローバル時代(国際理解・国際協調・国際共生)に適う留学である。

 

4.「国際課程」留学のコスト・パフォーマンス

 留学経費の観点から言及したい。留学費用には、学費(入学金・納付金・授業料等)・修学費(教材・課外活動等の教育教材・教育活動費)・通学費・生活費(住居費・食費・光熱・通信費等)が必要となる。

 1年間の単位での試算であるが、日本の国立大学の総費用は、1466,400円で、私立大学では、1976,600円(平成20年度学生生活調査・日本学生支援機構)となっている。欧米・オセアニアの例で挙げれば、アメリカカリフォルニア州立大学ロングビーチ校)/241万円、カナダ・カールトン大学/216万円、イギリス・ケント大学/245万円、オーストラリア・フリンダース大学/184万円、ニュージーランド・カンタベリー大学/205万円(20104月現在、留学ジャーナル)となっている。

 スィーパトゥム大学の国際課程の場合では、351,300バーツとなる。日本円に換算すると、946,806円となる(為替レートは米ドル=81.69円/タイバーツ=2.69円で、2011522日現在)。外国為替レートの変動(円高バーツ安が有利)を考慮しても、日本円で、100万円以下となろう。筆者の試算の根拠は、以下の通りである。

 

   学費・・・4年間の総額である279,200バーツを単純に4で割った数字で、69,800バー

    修学費・・・習得すべき単位数1354で割り、1科目(3単位)と計算して、1年の履修科目数を

                   11科目と看做し、1科目当たりの教材費を500バーツとした。即ち、11科目分で、

                                    5,500バーツとなる。

 通学費・・・往復100バーツの30日(1か月分)×12か月=36,000バーツ

 生活費・・・2万バーツ×12か月=24万バーツ

 

 精神的・時間的な余裕のある留学生活を考えれば、コスト・パフォーマンス(対費用効果)の良さは、留学に係わる総費用と留学によって得られる経験的価値の両面からして、且つ、欧米への伝統的留学とは異なる新たなグローバル留学の意義を見い出す中で、評価されるべきであると主張したい(2011年現在の掲載内容であることにご留意ください。学費等に付きましては、必ずお問い合わせください)。

 

5.タイの教育事情の理解

 ●タイ政府教育省のウェブサイト

  http://www.moe.go.th/English/(英語、タイ語)

 ●タイ教育省の管轄下にあるタイ政府高等教育委員会のウェブサイト

  http://inter.mua.go.th/main2/index.php(英語、タイ語)

 ●タイ政府広報部タイ情報センター

  http://www.thaimain.org/(タイ語、英語)

引用・参考ウェブサイト

 ●海外就職を目指せ!―海外就職とは―

  http://worldwide.jugem.jp/?cid=2 

 ●Lighthouse 暮らす・学ぶ・働く・遊ぶ・アメリカ発現地情報

 http://www.us-lighthouse.com/kyouiku/e-7429.html

 ●「留学ジャーナル」

 http://www.ryugaku.co.jp/object/uni/hiyou.html

 

(2011年7月脱稿)

タイにおける「大学の国際化」

 タイ国内の高等教育機関は、全体で166機関が設立されている(2009年・高等教育機関委員会事務局;OHEC)。166機関総数の内、国立系の78機関、私立の69機関、コミュニティ(地域)・カレッジ(旧職業系短期大学の昇格設置)の19機関となっている。国立系の78機関を見ると、設立当初より「国立大学」として認可されている14校、1990年代に「旧教員養成校」から「ラチャパット地域総合大学」に昇格した40校、かつて39校設立されていた「ラチャモンコン高等専門学校」が2005年に廃止統合され、大学として昇格された「ラチャモンコン工科(科学技術)大学」の9校、独立行政法人となった「自治大学」の13校、「オープン大学」の2校に分類される。

 大学等の高等教育機関に在籍する学生数(学士・準学士)は、約2202,400名で、高等教育学齢期に相当する1821歳の人口全体である約418700名の52.68%を占めている。高等教育機関在籍者数が半数以上を占める要因には、オープン大学の存在が指摘される。オープン大学の在籍学生数は、約479,700名で、同上学齢人口全体の11.47%を占める規模となっている(2008年現在)。オープン大学の特徴は、入学・授業料等の学費の低廉さや通信制で自学自習できる点にある。低所得者層、学位取得を希望する社会人、地方在住者の受け皿になっているのは言うまでもない。

 ところで、タイの高等教育機関に在学する外国人留学生数は、19,052名である(2009年現在)。機関数にして、103校となっている。外国人留学生数は、タイの教育政策を受けて、増加の一途を辿っている。2006年は8,534名、2008年は16,361名で、2006年から2009年の3年間で、2.23倍の増加率を示している。こうした増加現象は、ASEAN(東南アジア諸国連合)の地域的発展や地域的統合における政治・経済・社会的動向と連動しているのは当然としても、タイ政府が目指す「東南アジアにおける教育のハブ(拠点)作り」の実現化が挙げられる。タイ国が東南アジア地域の中で、教育活動における中心的役割を果たし、且つ、主導的行動を進めようとする政策的意思と考えられる。外国人留学生の専攻分野が集中しているのは、タイ語、ビジネス経営、国際ビジネス、英語、マーケティング、タイ研究、タイ語・文化研究、ビジネス英語、国際ビジネスマネージメント、観光産業となっている。地域研究であるタイ語・タイ文化を除くと、英語・経営・市場・マネージメント・観光業に見られるように、タイの「地域的国際性」に着目した、タイの大学の「国際化」に向けた動きが活発化していると思われる。

 その「国際化」の一つの側面を取り上げるなら、「国際課程(International Program)」の教育プログラムの設置が挙げられる。「国際課程」の開設は、タイの高等教育機関の「国際化」を推進する重要な支柱になっているのは間違いない。高等教育機関における「国際課程」の設置数は、国立36校、私立24校となっている(2012年度)。開講されているプログラム数は、1993年においては、27のみであったが、その後、2005年に5202006年に7272007年に8442008年に8842010年に9812012年に1,017にまで増えた。これらの数字には、学士・修士・博士の各課程が含まれているが、2012年の1,017プログラムについて言えば、国立737、私立280となっている。学士課程にのみに限れば、国立191、私立153の合わせて、344となっている。高等教育機関ではないが、因みに、タイには、中等普通教育学校に該当する「国際学校(International School)」が495校設立されている。当初の「タイ人学生」だけを対象とする「タイ国籍の国際課程」から「外国人学生」を積極的に受け入れる「多国籍の国際課程」への質的転換が図られているように見受けられる。

 もう一つの「国際化」の動きは、タイの大学の国際学術交流協定(Memorandum of UnderstandingMOU)の締結数である。協定には、学生交流・教員交流・学術情報交流を包括した協定から何れかに限定した交流など、或いは、大学間又は部局間のように、交流の主体に視点を置いたもの等、幾つかの種類が見られる。加えて、協定の締結も2大学のみならず、複数の大学にわたるコンソーシアム形式(国際的大学間連携)もある。因みに、タイの各大学が日本国内の各大学と締結した学術交流協定数は、407締結数となっている(2008年)。この407という数字は、タイの国際学術交流協定の締結先の国別の中で、第1位を占めている。締結数407の内、国立大学が372、私立大学が35である。日本国内の大学との交流協定を通じた調査・研究の「学術交流」や教員・学生の「人的交流」が直接的又は間接的にであれ、タイの大学の「国際化」を促進していることも事実と思われる。外国への「タイ人留学生の送り出し」と外国からの「外国人留学生の受け入れ」のそれぞれの動向にも注目する必要あろう。

 タイや日本における大学の国際水準や国際性を知る上で、手懸かりを与えてくれる指標がある。即ち、イギリスの「タイムズ(The Times)」が新聞の付録冊子として発行している「高等教育情報誌(The Times Higher Education SupplementTHES)」で、同誌は、2004年より「世界の大学の順位(World University Rankings)」の公表も併せて行うようになっている。

 

【引用文献】

Office of the Higher Education CommissionOHEC

Bureau of International Cooperation Strategy, Ministry of Education

http://www.inter.mua.go.th/main2/index.php

The Times Higher Education Supplement

http://www.timeshighereducation.co.uk/

●鈴木康郎・カンピラパープ スネート(2010)「アジアの高等教育事情 ダイナミック・アジア8 高等教育のマス化とASEAN統合に向けた国際的地位の向上を目指してタイの高等教育戦略」『リクルートカレッジマネジメント164Sep-Oct5659

 

20117月脱稿)

20146月加筆訂正)

 

スィーパトゥム大学の国際機関・組織・団体との協力関係

●アジア太平洋学生サービス協会(APSSA

●タイ王国私立高等教育機関協会(APHEIT

●世界大学総長協会(IAUP

●科学教育国際協議会(ICASE

●国際社会環境構築(ISBE

●ファイ・デルタ・カッパ国際団体(PDK

●東南アジア高等教育機関連合(ASAIHL

●タイ王国高等教育情報技術運営管理者協会

●アジア太平洋大学連合(AUAP

●世界コーオプ教育協会(WACE

●グローバル教育コンソーシアム(CGE

●アジア太平洋ホテル・レストラン産業教育協議会(APAC-CHRIE

●タイ国サイバー大学機構(TCU

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